毎月描かせていただいている月刊「到知」の鈴木秀子先生の連載『人生を照らす言葉』の次号の挿絵のテーマは、高村光太郎の「智恵子抄」です。
高村光太郎は詩人として有名ですが、父親は彫刻家で自身も彫刻を勉強していたのですね。奥さんの智恵子さんは、心の病になり、五十代で亡くなったのですが、智恵子さんとのことを書いた、この「智恵子抄」、あらためて読んでみると、結構じーんと来ます。
智恵子は
見えないものを見、
聞こえないものを聞く
高村光太郎『智恵子抄』
この部分の引用から、智恵子が条件で動くdoingの世界ではなく、人間を人間たらしめる命そのもののbeingの世界から湧いて来る愛を見ていると鈴木先生は綴っていらっしゃいます。
doingは、私達は何かしなければいけない、こうあらねばならない、人からどうみられているか、など条件がなければ愛されないというエゴの囁きがベースになっています。エゴを満足するようなことを、人は欲しくなるのですが、そこにはほんの瞬間の幸せしかないのです。
何かができるから、仕事をしているから、持っているから、だから幸せになるという考えはdoingなんですね。
何もできなくても、成功なんかしていなくても、今ここに存在しているだけで、私達は愛されていて奇跡のような存在で、無条件で素晴らしい存在なのだということを、私は鈴木先生から随分教えていただいた気がするのです。それを智恵子の見ている世界という形でお書きになったのではないかと思いまして、今回、こんな絵にしてみました。
２つの世界が、同時に一つの景色の中にあります。
絵としては、ちょっとやり過ぎたかもしれません。ちょっと、自分では不本意なところもあるのですが、まあそれは触れないことにします。
どこかで、この雑誌に出会う機会がおありでしたら、ぜひ手に取って読んでいただけたら嬉しいです！
結局、幸せは自分の外側の何かからは得られないですね。今、この瞬間に生きることと、神とか宇宙とかソースと言われているものとしっかりつながることが本当の幸せにつながる気がします。
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智恵子も洋画家なはずなんですが、智恵子の作品って私は全然知らないんですよね。
返信削除光太郎の「智恵子抄」をとおしてしかわからないんですよね。
光太郎にとっては間違いなくかけがえのない人だったと思うのですが、智恵子にとっての光太郎という存在がどういうものだったのか今一つよくわからないのですが。
嫌いではなかったと思うのですが、尊敬に近い愛のような気もするし、心を許していた存在のような気もします。
ホント存在そのものを大切にできたらいいのですが。
凡人としては確定申告の計算を終えてから、将来のことを考えていたらため息しか出てきませんでした（笑）
生きるってキビシ～」！
たしかに、智恵子の作品はしらないですね。晩年は切り絵をしていたようですが…。
返信削除私もパートナーシップというものがいまひとつよくわからない所がありまして、光太郎の思いは書いてあるとしても、智恵子さんの思いなどは、全くわからないのですが、どんな感じなのでしょうね。
確定申告は、なかなかdoingの世界そのものな感じですよね！私も数字が苦手なので、聞いただけでひょえ〜ってなります。不安って、先のことを考えれるともれなく着いてきますしね。上の娘も、１年ろくに活動できず、自分と向き合うしかなかったので、「今に生きるしかない」とか、色々言っています。内面の方は相当磨かれたかもしれません。
生きるってキビシ〜ですね。ふふふ。