とても切ない気持ちです。実は、私も猫が好きで、これまで何匹も飼って来たので、4ヶ月で子猫を亡くした経験があります。
いつか、この話を書きたいと思っていました。びっくりするような奇跡の話です。そのタイミングが今なのだと思いました。
その子の名前は、「ちゅうりっぷ」。長いので「ちいゆ」と呼んでいました。
真っ白なペルシャで、実はお店にいるときから、少し様子がおかしかったのです。とてもみすぼらしくて、毛並みも良くなかった…。「こんな子、誰が買うんだろう」と思ったのが正直な感想でした。
それなのに、なぜか抱っこをしているうちに、家で飼った方が良い気がしてきたのです。結局、契約をして、それから2日目に引き取りにいくまで、ずっと悩みました。今ならキャンセルできる、と思いながらも、それでも自分に色々言い聞かせて、その子はうちに来ることになりました。
今思うと、すでにその子は少し体調が良くなかったのかもしれません。
家に来てからは、家中を探検したり、走ったり、本をかじったり、私のパステルをまるで角材のようにくわえてびっくりさせられたり、ハンバーグをぱくっと齧ったり、子猫らしい可愛さをふりまいていました。
左がちゅうりっぷです。
けれども、子猫にしては寝ている時間が多いし、なんだかお腹が少し膨らんでいる…。病院に連れて行っても、お医者さんは子猫はこんなものだと言うのですが、あまりにもぐったりしている時間が多くなり、別の獣医さんに連れて行きました。
「もしかして、FIPだと厄介なんです」という獣医さんの言葉を聞いても、私はそれほどネガティブに捉えていませんでした。
検査の結果、やはり猫の三大疾病の一つ、伝染性腹膜炎という、ほぼ死に至る病気だということがわかりました。ネットで調べると、治ったという子もいるにはいるのです。けれども、多くは死に至る病ということでした。毎日、病院に連れて行き、高価な注射もしました。気功の遠隔治療も頼みました。
それでも、みるみるうちにお腹が膨らみ、何も食べなくなり、それでも小さなちいゆは自分でトイレに行き、私と一緒に寝てくれました。今、写真を見ても、どれも具合の悪そうな様子がわかります。なぜか、輪郭がぶれていて、まるで透けているかのような写真が多いのです。
子猫の元気さもないし、目の下がいつもギロギロと汚れていたし、それでも、私には可愛くて可愛くて、もはやかけがいのない存在になっていました。
その頃、私も体調が良くなくて、ちいゆと健康になる誓いをしたりしていました。
小さな身体で注射もがんばって耐えて、最後は腹水でお腹がパンパンになっているのに背中はガリガリでした。苦しかったことでしょう。どうすることもできず、あんなに毎日のように病院に連れて行かずに、家にいさせてあげれば良かったかもしれないと色々後悔もしました。
それでも、できるだけのことはしたので、愛情はたっぷり注いだかと思います。
家に来てたった2ヶ月、たった4ヶ月の命を4月4日に閉じてしまいました。44は天使の数字…、きっと天使だったのだろうと思うことにしました。それでも、何年も生きて寿命を全うしたのなら少しは受け入れられたのかもしれないのですが、小さな小さな子猫だったことが、本当に切なくて悲しくて、立ち直れないくらいでした。
それから、私は一人になるとしょっちゅう泣いていました。車を運転しながらも泣き、部屋でも泣き、こんなに悲しみをひきずってどうしようと思うほどでした。
約1年、そんな感じで悲しみをずっと癒せないまま暮らしていました。時々、ふらっとペットショップに行くと、そこにいる猫ちゃんに「あんた、ちいゆじゃない?」と聞いたりしていました。でも、猫さん達は知らん顔でした。
そんなある日、わりと家の近くのペットショップに、なんとも可愛い茶色のペルシャの女の子がいるのを見つけました。ちいゆは真っ白でしたが、その子はゴールデンです。
みにばら。
いつものように、「あんた、ちいゆじゃない?」と聞くと、ものすごいアピール度で「ニャ〜ッ!」と言ったのです。しかも、ちいゆに良く似ている。
本当にちいゆに似ているなあと見ていると、ちいゆがよく前足を舐めていたのですが、ちょっと特徴があって、それとそっくりなしぐさで、同じように足を舐め始めたのです。
まるで、ちいゆだと思いました。生まれ変わりかもしれないと…。
抱っこもさせてもらいました。片手の平に乗るくらい小さくて、それはそれは可愛らしかったです。
けれども、うちにはちいゆと同じ頃、うちに来た「ぴいなっつ」という男の子がいました。どんだけ猫好きかという話ですが、あの頃の私達は猫で心の穴を埋めなければならなかったのです。
ちいゆの病気は伝染性でしたので、ぴいなっつもその抗体を持っていました。幸い、発症はしませんでしたが、新しい子猫にもし伝染ってしまったらと思うと、私達の気持ちだけで簡単にうちに迎えることはできませんでした。
それでも、私は本当に毎日3週間そのお店に通いました。毎日、売れていない、まだそこにいてくれたとほっとして、様子を見て帰りました。あまりにも毎日行くので、あやしいといけないので、遠くからそっと見たりしていました。
小さな女の子が、「この猫が欲しい」と言ったときは、複雑でした。かわいい、かわいいと色々な人たちが覗いているのをドキドキしながら、見ていました。けれども、その子が少しずつ、毛並みも良くなくなって、なんとなくすすけて来ている気がしました。お腹もこわしていたようです。可愛かったのに、ちょっとこれは売れないなというくらいに荒んできていました。
そのうちに、連休がありました。連休だと、きっと子供さんがいるご家族が猫を買う機会もあるかもしれないので、連休過ぎても、まだ売れていなかったら、思い切ってうちで飼おうかと思い始めていました。こうなったら、先にいるぴいなっつとは別の部屋で飼えばいいと思い始めていました。
そして、連休明けに見に行きました。売れているかな、もういないかもしれない、そう思うと、切なくてドキドキしながら店に足早に向かいました。そして、いつもいるケージの中にその子の姿を見たときは、もう間違いなくうちに来ることになっているのだと確信しました。
そうして、やってきたのが、「みにばら」です。ぴいなっつとはなるべく隔離して、大切に大切に育てました。
あまりにも小さかったので、とても心配でしたが、少しずつ大きくなって、ちいゆが亡くなった4ヶ月を過ぎたときは、ほっとしました。
そして、しばらくした時、ブリーダーさんから血統書が届きました。みにばらのお父さんやお母さんの系図が出ています。そして、ふとブリーダーさんのお名前を見たら、とても変わった名字で、私達には見覚えがある名前だったのです。
もしかして、とちゅうりっぷの血統書を出してみました。そして、私達は目を見張ったのです。なんと、ちゅうりっぷのブリーダーさんと同じ方でした。
ちゅうりっぷとみにばらは全然別のお店で買いました。地域もちゅうりっぷは練馬、みにばらは横浜です。(すみません、猫の名前なのに紛らわしいですね)
そして、血統書の家系図を見て、私達は本当にこんなことがあるのかと目を疑いました。
みにばらは、ちゅうりっぷの本当の妹だったのです!厳密に言うと、父親が同じ、母親同士が母と娘でした。けれども、妹であることは間違いありませんでした!
なんと、あんなに私がちゅうりっぷに似ていると思い、3週間も通って、とうとう家に迎えたみにばらは、ちゅうりっぷの本当の妹だったのです。
私は、ちゅうりっぷが亡くなった時、永遠に一緒だからね、と心の中で言っていました。
ちゅうりっぷが、生まれ変わって来てくれたのか、それはどうかわかりません。でも、みにばらの存在で、ちゅうりっぷがいなくなってしまった心の穴はすっかり埋まりました。
みにばらは、今私にとって本当に特別な子です。大切な大切な存在です。私は探し出すことができたのです。
奇跡のみにばらさん。
そして、実はさらにしばらくして、また真っ白なチンチラちゃんを見つけました。その子がこれまた本当にちゅうりっぷにそっくりで、本当に何匹猫を飼うのかというしょうもない私達ですが、この子も家に来ることになりました。
くぅちゃん。
そして、今、この子はまるでちゅうりっぷにそっくりで、あんなに弱かったちゅうりっぷとは反対に、ものすごくがっしりしていて健康そのものの子です。名前はくみちゃん、くうちゃんと呼んでいます。
ちゅうりっぷが、みにばらとくぅちゃんに分散して存在しているかのようです。
この子たちには、昔飼っていた猫や犬にとても似ている所もあります。輪廻転生というか、エッセンスが入っている感じがします。
本当に血統書を見たときの驚きと歓びは生涯忘れないでしょう。死んでも魂は生き続け、こんな風に奇跡のようなことが起きるのだという体験は、私の死生観に強く影響しました。
肉体はなくなっても、魂はあるし、それは私達の観念での形体ではないかもしれないけれど、(分散して生まれ変わったりするのかもしれないけれど…)必ずまた会えるんだということを私はこのことを例に出して、周りの人たちに伝えたいと思っていました。
長い話ですので、簡単には話せなくていつか書きたいと思っていました。ふくちゃんのことがあって、私は毎日必死に看病していた彼に伝えたいのです。きっと必ずまた何らかの形で会えるということを。そんな奇跡があることを信じて生きて行きましょうと!
人間も同じではないかと思いたいのです。死によって会えなくなったとしても、必ず魂は存在して、また会えると…。ちゅうりっぷやみにばらやくうちゃんのことを考えると、希望が持てると思うのです。
今はもちろん悲しくて、姿が見えなくなって、切ないと思います。けれども、どうかまた会えると信じて欲しいと思うのです。
長くなりました。猫の話で恐縮ですし、どんだけ猫がいるんだっていう話ですが、この話は「みにばらの奇跡」としてずっと書きたいと思っていました。
パステルなどの講座のときに、そばで眠ったりしている子がみにばらです。あの子だけが、人前に平気で出てきます。
奥からぴいなっつ、くみ、みにばらです。
ぴいなっつ。怖い!
くみちゃん。かなり怖い!
みにばら、かくれんぼが好きです。
今度は元気な身体で、沢山一緒に過ごして、時々化け猫のような怖い顔も見せてくれるはずです。そして、可愛い可愛い姿でたくさん癒してくれて元気をくれるでしょう。
きっと伝わって、また生まれて来てくれると思います!だから、どうか元気を出してくださいね。
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