2015年7月30日木曜日

薔薇の制作過程と描き方を公開します!




先日、遠くにお住まいの方から、水彩画の通信講座はしていないですかというお問い合わせをいただきました。パステル画ですと、スカイプでレッスンをしていましたが、水彩画の通信講座となると、テキストもありませんし、スカイプもされないということで、どうしたものかと思いましたら、絵でもよいとのことでしたので、薔薇の絵を描かせていただきました。

それで、せめて描き方をお伝えしようと思いましたが、せっかくですので、ブログで他の方にもわかるように書いてみようと思います。

この描き方は、私が心酔している先生に10年教えていただいてきたものがベースになっています。

紙はアルシュです。いつもは、水張りをしますが、今回はブロックタイプに描きました。大きさは、31cm × 41cm です。cold press (細目)300gです。

絵の具は、シュミンケがメインで、ウインザー&ニュートン、ホルベインなども使います。

筆は、平筆、丸筆はラファエルの803 りす毛の筆などを使っています。

まずは、鉛筆(HB)で下描きをします。薔薇を二輪描きますが、茎や葉は下描きしませんでした。

下描きのときに気をつけているのは、白く残す部分です。

水彩画は白い絵の具はあまり使わずに、紙の白さを生かしていきますので、どこを残すかという計画が必要になります。

 今回は、結構細かく下描きをしましたが、もっとざっくり描く場合もあります。そのときの気分や、どんな絵にするかによって、下描きの密度も違います。




下描きをしたら、ねりゴムで鉛筆の粉を押さえるようにしてとります。

下描きの次は、いよいよ水彩絵の具で、下塗りをします。水張りをした紙ではなく、ブロックなので、少し紙がたわんでいますが、かなりの量の水を敷きます。

そこに、色を置くようにしていきます。白く残すところには、水を置かずにそのまま残したり、水を敷いても絵の具を置かないところもあります。

かなり濃いと思っても、時間が経つとかなり薄くなりますので、その辺も計算に入れて色を置きます。

最初に置いた色はとても美しいので、大事にしていきます。

紙を横にして、絵の具を流したり、置いた色に、水だけを筆で乗せて、バックランという水の輪染みを作ったりします。

このときも、無闇に色を置くというよりは、やはりモチーフを見て、明暗を意識して置いたり、花の中は濃い所(影の部分)には濃い色を置いています。




下塗りがだいたいできたら、少しずつ細部を描いていきます。

花の部分は、影になった所を塗っていきます。白い花でも、よく見ると色々な色を感じますので、沢山の色を使います。グリーン、ネイプルズイエロー、オレンジなど。

花の周囲を葉の濃いグリーンを生かして、花を浮き立たせるように塗ります。これは、ネガティブスペース(ネガスペース)と言って、物ではなく、物の周囲を描くことによって、そのものを浮き出させていくのです。写真のネガとポジと同じです。

ちなみに、これは天使画を描くときにも、とても沢山使う技法です。




葉や茎は、フリーハンドで描いていきますが、心配なら鉛筆で下描きをしても良いと思います。

葉のグリーンは、絵の具の緑をそのまま使うのではなく、必ず混色をしています。そうしないと、なんとなく生々しいというか、人工的な感じになってしまうので、グリーンに赤や茶や紫や青など、色々な色を混ぜて作ります。

ホルベインのシャドウグリーンや、シュミンケのプルシャングリーンなどは、とても深いグリーンで、そのままでも良い色なので、混色しないで使うこともあります。

葉は葉脈は残しながら描いています。ベースを塗って、そのあと二度、三度塗り重ねることもあります。

上の方の葉は、白っぽく残して光が当たっている感じを出したかったので、背景を塗り、葉自体は白く残しています。




更に、葉を描き足したり、背景の色を足したりしています。右の花の近くの葉は、実際はもちろんグリーンですが、紫系にして遊んでいます。

葉は、緑で描いて、濡れているうちに、先の方に赤茶の絵の具を少し置くようにしたりします。

花の細かい花びらは、影になっている部分を細い筆で描いていきます。細かい重なりは、紙が乾いていないと効果がでませんので、乾いているかどうか確かめてから描きます。 

輪郭は、はっきりしたところと、少しぼやっとしたところがあります。




全体を見て、少し寂しい部分があったので、あとからラベンダーの枝を買ってきて、葉と実を足しました。このときに、紙を濡らして、そこに筆で実を描くと、滲んでいい感じになります。はっきり描きたいときは、紙が乾いている時に描きます。実も沢山の色を使っています。緑、黄色、青、紺などです。

最終的に乾いたら、下描きの線を練りゴムで消します。

また、激落ちくんのようなスポンジで、少し修正をしたり、光を出したりすることもできます。

あとは、白のパンパステルを少しかけたり、白のガッシュ(小学校で使う不透明水彩)をハイライトに使うこともあります。今回は白のパステルを少し使っていますが、ガッシュは使っていません。

また、ピンクの花が暗い時は、オペラのようなショッキングピンクを薄く溶いて、油絵で言うグレーズのように、少し全体にかけたりします。

この画像は少し色が実際より濃いかなという気もしますが、一応、これで完成です!






完成した絵を額装してきました。

今回は、世界堂で、前回もお願いしたスタッフの方がいてくれたので、素早くマットなどを選んでいただきました。

ダブルマットといって、内側に少しだけ色が見える仕様です。着物の重ね衿のような感じです。今回は、グリーンが多いので、クリーム色にしました。

額に入ると、ぐっと違って見えます。





実は、今回、描いても描いても、なんだか自分のイメージと違ってしまって、果てしない気がしたのですが、きりがないので、この絵にさせていただいたのですが、まだまだ未熟です。

本当にこんな風に描き方を公開するのも、とてもとてもお恥ずかしい気持ちですが、お役に立てたら嬉しいです。結構、ドキドキしています。

パステル画や色鉛筆画を描かれる方も、基本的な見方などは同じです。
天使画やパステルで薔薇を描く時も、基礎は同じです。

少しでも制作のお役に立てたら幸いです!

とても良い機会をいただいて、本当に感謝でいっぱいです。ありがとうございました!




デッサン・水彩クラス、次回、7月31日(金)はまだ残席があります!

初めての方でも、丁寧にお伝えします。デッサンでも水彩でも油彩でも構いません!(水彩12時から、デッサン13時から。4,000円です)

******

*8月12日(水)に急遽、きれい系天使の1dayレッスンをします!
久しぶりのレッスンになりますが、よろしければどうぞ!
12時にスタート、7,000円です。お申し込みは、minominirose@gmail.comです。


*現在は、今入っている予定以外のパステル画のレッスンはお受けせずに、一度お休みをいただいています。デッサン・水彩クラスはあります。少し絵を描く時間をとることと、レッスンを整理したいと思っています。少しお待ちいただけたらと思います!
再開は、ブログでお知らせしますね。8月後半から再開できたらと思っています。


7月
30日(木)ヨシさんの数秘講座第3回(全3回)残席1名様です!
31日(金)デッサン、水彩クラス 残席3 名様です!

8月
11日(火)デッサン、水彩クラス 満席です!
12日(水)きれい系天使1dayレッスン 残席あります!
24日(月)デッサン、水彩クラス 満席です! 


10月
7日(水)〜12日(月)ミレージャギャラリーにて“Music & Movie展”

11月 
7,8(土、日)大阪にて天使画レッスン予定

連絡先は、minominirose@gmail.com までメールをお願いいたします!アメブロのメッセージは、開くことができないことがありますので、gmailの方でお願いできると助かります。




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