いきなり骸骨でごめんなさい！
これは、石膏のデッサンです。よく西洋の絵では、「ヴァニタス」と言って、人生の虚しさやはかなさを、それらを象徴するものを描くことで現していて、骸骨（死）、コイン（お金の虚しさ）、果物（いつかは腐ってしまう）、他には楽器、花、蝶、泡などが度々登場したんですね。
実は、私は西洋の絵には輪郭がないと教わったし、自分でもそうだと信じていたのです。レオナルド・ダ・ヴィンチも物には輪郭がないといって、スフマート（煙りのように…）という技法で、輪郭をはっきりさせないで作品を描いていますし。
でも、デッサンというのは、実はドローイング、形をとることなんだそうなのです。
ですので、輪郭をしっかり描いて、形をとるということが本来デッサンの目的なんだそうなんですね。
もちろん、タブロー（絵画としての完成した作品）はそんなことはないのですが…。
それで、これまで輪郭を描かないようにしてきた私ですが、今回初めて輪郭をはっきり意識して描きました。
しかも、明暗はハッチングによる線での影です。ハッチングというのは斜線で描いていくのですが、線と線の間の白い部分があることで、石膏像が白いということがよくわかります。（よく、白い石膏像を描いているのに真っ黒になっちゃうんですよね）
実は、これはデューラーが透視板を使って描いていた図があるのですが、それと同じやり方で形をとっています。
画用紙にマス目を描き、モチーフもマス目のある透視板を前に置いて、利き目で形をとっていきます。こんなやり方、なかなかできないのですが、まさかのデューラーの透視図法で描くことができました。
それをなるべく直線で形をとり、だんだん曲線にして形をとっていきます。
ハッチングは、これまであまりやっていないので、線がひどい！
でも、描いているうちに、少しずつ慣れてきました。
１回目は、こんな感じ。これは１時間くらいでしょうか。
そのあとは、明暗をざっくりと見ていきます。
この小さな頭蓋骨の中でも、手前と奥では、コントラストが違いますし、線すらも手前と奥では強さ、弱さが違います。
更に、画用紙の白さと、頭蓋骨の額あたりの白さ、台の左側の白さは、本当は同じなのですが、頭蓋骨や台の方を白くしたいわけです。
背景を暗くすれば簡単にできますが、背景を白いままにするために、ちょっと工夫がしてあります。
こんなiPhoneで撮った画像ではわかりにくいですね。
でも、なんとか背景よりも額や台が白く見えるようになりました。
う〜ん、いいおでこだわ！白さがちゃんと背景より白い！…と自画自賛。
これを描いたあとは、誰に会っても骸骨に見えてしまって、顔の骨格がよく見えて面白かったです。
今もまだ、骨が見えてしまって…💦。
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